あぁ、俺の目の話だったか。

こんな目の色、普通おかしいだろ。

ましてやハーフでも、クオーターでもない生粋の日本人が。

何よりこの目は――。


昔を思い出して、目を伏せた。



「俺の目なんか、見なくていい。コレは、他人を不幸にする」



そう。この目は……良いことを齎したりなんかしない。

人の妬み、嫉み、憎しみ。

例え最初は好意を抱いていた人も、俺から離れていく。

もうあんな思いはしたくない。



「んなわけ無いだろ。うりゃ」



わざと背中に体重を乗せる、蒼汰。

思いふけっていた俺は、不意を突かれたせいで対応が間に合わず

惰性にまかせ前屈みになった。