「湊叶さん。また子供扱いしてるでしょ」
体を離して、上を見上げ彼を睨み付ける。
けれど、全然湊叶さんは気にしてない様子でフッと微笑んだ。
「お前が子供じゃないのなんて知ってる。だけど、いろいろ心配なんだよ」
今の言い方、なんか意味深。
それに心配って……そんなに信用無いかな?
ヘタしたらお父さんよりも、過保護度が上を行ってるかもしれない。
くしゅん……。
あれ、湊叶さんと離れたせいかな?
「言ってるそばから……ほら、これ巻いていけ」
自分の首に巻いていたマフラーを外すと、私の首に掛けてくれた。
温かい……それに、湊叶さんの匂いがする。
彼は煙草も香水も好まないから、きっと柔軟剤の匂いだと思う。
マフラーに顔を埋めて、深呼吸。
ふふっ、この香り安心する。

