「え、何か言った?」 「何でもない。腹減ったな……晩飯、何がいい?」 身長差のある私を見下ろし、笑顔を浮かべる湊叶さん。 繋いだ私たちの手は、いつの間に指を絡ませた恋人繋ぎになっていた。 彼がその時、何を考えていたのかは知らないけれど 湊叶さんの笑顔と手に伝わる温かな温度、それだけで今の私には十分。 「七夕だし、そうめんが良い!」 「素麺か……あったかな。よし、一緒に買いに行くか」 「うん」 私たちは、時々じゃれ合いながら砂浜を後にした。