そもそも俺は、この島に帰ってきてから恋愛なんて
もうすることは無い、と思っていた。
絢の事があって、女だけじゃなく人に接するのが怖くなっていた。
島に帰って来てから、蒼汰のお陰で人に対するものは
かなり軽減されてきたけれど、恋愛は別だ。
愛情と憎しみは、紙一重。
相手を想えば想うほどに、離れてしまう気がする。
俺は人を愛してはいけないんだ、と想うほどに――。
だから、自分の感情を隠すように前髪を伸ばした。
もちろん、この青い目を興味本位で見られたくないって言うのが
大義名分ではあるけど。
だけど、瀬戸に会って……彼女の内に秘めた苦しみを知って
自然にコイツのそばに居てやりたいって思った。
もちろん、同情なんかじゃない。
傷の舐め合いなんて、したくない。
ただ自分の過去を受け止めて、認めて、向き合ってる姿が眩しかった。

