「――よし、終わった」
「……終わったか?」
すぐ傍で聞こえた声に、驚いた。
だって、この部屋には一人しかいないと思っていたから。
「湊叶さん……いつから、ここに?」
湊叶さんは、読みかけの本をパタンと閉じると
部屋にある四角い壁掛け時計を見上げた。
「んー、30分くらい前からかな。俺だけじゃないぞ、ほら蒼汰も」
蒼汰さん?……あ、テーブルの奥でうつ伏せになって寝てる。
五時半すぎてるし……もうこんな時間になってるなんて
集中しすぎて気が付かなかった。
「最初は、お前の顔覗き込んでたりしてたんだけどな……あまりにも、お前が気が付かないから寝ちまったみたいだな」

