訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】


「そんな事って……」



瀬戸は、震える声と手を抑えるように

口元に両手を押し当て、涙を浮かべている。

蒼汰に至っては、顔を壁側に向けているせいでどんな顔をしているのか分からない。

だけど、何もしゃべる気配はない。



「そのまま彼女は精神病院に連れていかれ、処置室の前であった彼女の両親には、もう二度と彼女の前には現れないでくれ、と言われたよ」



目の前が、ガラガラと音を立てて崩れていくのが見えた気がした。

失意と絶望で、どうでもよくなった俺は店を辞め

この島に、逃げ帰った。


その頃、実家から祖父が倒れたと聞いていたし

今まで忙しくて、帰れなかった分親孝行しようと思ったのもあるけれど。

結局、帰って来ても何も手が付けられずに過ぎていく日々。

眠っても、あの光景が目に焼き付いて忘れさせてくれない。

後悔と失望で、未来なんて見えなかった――。