「そのお気に入りの自転車を放ったらかしにして、島中を絢とまわってたのは誰なんだよ?」
うっ……それを言われると、言い返す言葉もありません。
少しの間って思ってたし、まさかこんなに大怪我するなんて誰も想像しないでしょ。
「ま……その自転車のお蔭で、源さんの目に留まって探し出すキッカケが出来た訳だけどな。後で、源さんにお礼言っとけよ」
そっか。源さんが教えてくれたんだ。
赤い自転車は、結構目立つし
毎日のように会っている源さんなら、すぐに私の自転車だって気が付いてくれたんだ。
自転車はあるのに、出航時間になっても舟に乗ってこない私を心配してくれてたんだろうな。
「巻き込んで、悪かったな」
「何のことですか?」
「いや……絢の事」
絢さんのことで、なんで湊叶さんが私に謝ることがあるんだろう。

