「絢さんは?絢さんも、ここにいるんでしょ?怪我は大丈夫ですか?……痛ッ」



掴み掛かるくらいの勢いで、湊叶さんに詰めよろうとしたけれど断念。

自由に動かない、自分の体が忌々しい。



「落ち着けって……全く、お前は。人のことより、もっと自分のこと気にしろ。自分の怪我の具合とか気にならないのか?」



呆れ顔を浮かべながら、私の肩を優しく支え寝かせてくれる。

別に気にならないって訳じゃないけれど

やっぱり一緒に崖から落ちた、絢さんの事を心配することがおかしなことかな?

ただ、湊叶さんには今回の事で沢山迷惑をかけたのは間違いない。

あのまま誰にも見つからなかったらと思うと、ゾッとする。



「湊叶さん。迷惑掛けて、ごめんなさい」

「……全くだ。俺、言ったよな?帰れって。なんで言うこと聞かずに、絢と島を堪能してんだよ」



言い方はキツいのに、なぜだか拗ねた子供の様にも聞こえる。

ヤキモチ?……まさか、ね。

でも、もしそうなら誰に対して?