暫くして、どこかに落ちていたのか500mlのペットボトルに
小川のきれいな水を入れて戻ってきた。
「喉、乾いたでしょ?飲める?」
「すみません。ありがとうございます」
ペットボトルの口を、私に近づけて飲ませてくれる。
冷たくて美味しい。
乾いた喉に、沁みていくように入っていく。
そのあと絢さんは、残りを傷口に流して泥を洗い流してくれた。
「……巻き込んじゃって、ごめんなさい」
巻き込むって……どういうこと?
「あの、どういう――」
「私……湊叶を連れ戻しに、この島にきたの」
あ――やっぱり、そうだったんだ。
じゃ、湊叶さんは東京に行ってしまうの?
「だけど……断られたわ。今朝も、戻る気は無いってハッキリと言われたの」

