「絢さんの所為じゃ、ないです。それに、絢さんだって……泥だらけ、です」
一言一言が凄く重くて、なかなか言葉が口に出来ない。
それに、笑おうとしても引き攣った笑顔しか浮かべることが出来なかった。
こんなの、あの時の痛みに比べたらなんてことない。
しっかりしろ、つばさ。
きっと湊叶さんが、助けに来てくれる。
「こんなになっても、私の事を気に掛けてくれるのね……とても強い子ね、つばさちゃんって」
眉を下げ、すまなそうに謝りながら顔だけでなく腕や足も拭こうとしてくれる。
けれど時間が経ち、体温で乾いた土は簡単に取れない。
「痛っ……」
「ごめんなさい、痛い?血が滲んでる……このままじゃ。待ってて、水を汲んでくるわ」
そういうと再び立ち上がり、小川がある方へ左足を引き摺るように歩いて行った。
傷は浅いと言っても、きっと痛みはかなりあるはず。
強いのは絢さん方だ。
きっと心細くて、震えるほど怖いはずなのに――。

