『湊叶?』 「蒼汰、悪い。心当たりがあるんだ。ちょっと行ってみる」 『ちょっと、説明しろ。湊叶、みな――』 慌てる蒼汰の声に耳を傾けることなく スマホの通話を終了すると、荒っぽくズボンのポケットに仕舞った。 もし恋人岬なんだとしたら大変だ。 あそこは老朽化が激しくて、二年前に封鎖されたはず。 今では立ち入り禁止区域になっている。 そんなところに、土地勘がない二人が迷い込んだんなら――。 急がないと……。 瀬戸、今行くからな。