恋人岬までは、主要道路を走るバスに乗り数分。
山道へ続く分かれ道で降りて、そこから15分程で着く……筈なんだけど。
今、私達は20分以上歩いているのに
潮風を感じるどころか、木と土の匂いしかしない
雑草も伸び放題の山道を歩いていた。
「絢さん。ホントに、この道で合ってるんですか?」
車でも、一台くらいしか通れないくらいの道幅。
舗装もされてなくて、昨日の雨で出来た水溜りを避けながら歩いていく。
パワースポットなら、もうちょっと整備されてても良くない?
人も通る筈なのに、今まで誰ともすれ違わなかったし
さすがに変だと思い始めた。
「その筈なんだけど……」
道を間違えたのかなぁ、と地図を見ながら
先を進む絢さん。

