「~~~っ。湊叶さん、イジワルです」
上目遣いで、見上げると
昨日の今日とは思えないほどに、爽やかな笑顔があった。
こんな顔で、笑うんだ。
やばい、ドキドキしてきた。
「なんで、赤くなってんだよ」
「べ、別に。赤くなんて、なってないです」
あなたの所為です、なんて言えない。
蒼汰さんが“動”なら、湊叶さんは“静”と言う言葉が似合う。
蒼汰さんは、真夏の太陽で
湊叶さんが、爽やかな初夏の風。
二人が揃うと、本当に絵になる。
思わず見惚れていると、頭に大きな手が乗って来て
クシャクシャと撫でていった。
「変な奴だな。ほら、メシ作るぞ」
「もう、髪の毛がぐしゃぐしゃになったじゃないですかー!」
「今更だろ。寝癖ついてるし」

