「蒼汰から魚貰って来たんだ。朝メシ作ってやるよ」
私の視線に気付いたのか、クーラーボックスを叩いて
中身を教えてくれる。
「湊叶さんが作ってくれるんですか?」
「他に誰がいるんだよ。お前、作れんの?」
う……痛いところを突かないで欲しい。
そりゃ、湊叶さんみたいに魚は流石にさばけないけど
カレーとか、しゃぶしゃぶとか簡単なものなら出来るもん。
「それより、魚って何ですか?」
「話、逸したな……お前、焼肉とかなら出来るとか思わなかったか」
惜しい。近いけど、違うから。
「焼肉じゃなくて、しゃぶしゃぶです」
「胸張って言えることか。大体、しゃぶしゃぶも同じだからな。料理とは言わねーの」
そう言って、私の額を軽く小突いた。

