「みーな、とー!」
どれくらい時間が経ったんだろうか。
一人で防波堤に座ったまま、海をみていると
静かな海に似合わない、騒がしい声が聞えた。
その声がした沖の方に視線をむけると、漁から帰ってきた漁師舟から
大きく手を振りなから、叫ぶ男が一人。
こんなことする奴は、この島には一人しかいない。
「おぅ」
接岸するほどに近づいてきた舟に乗る蒼汰に
軽く手を上げて応える。
「こんな時間に、どうしたんだ?支度にはまだ早いだろ?」
「別に。目が覚めたから、何となくな」
未成年である瀬戸を家に泊めて、真夜中まで話し込んでた
なんて言えるわけないしな。

