ぐっすり眠っている瀬戸を、起こさないように注意しながら

握られた手を布団の中に戻す。


まだ16歳なのに、いろんなもの抱え込んで

自分を責め続けて……周りに気を使って、辛かっただろうな。

それでも前を向いて歩こうとするお前は、すげーよ。

俺より、よっぽど大人だわ。

自然と手が伸びて、瀬戸の頭を撫でる。



「ん……」



ヤバ……起こしたか?

そう思ったけれど、瀬戸は寝返りをうっただけで起きる様子はない。



「……湊叶さん……好き……」



はぁ?!

寝言とは言え、なんてこと言ってんだよ。