湊叶さんに抗議するべく、身を乗り出すと

私の頭を大きな手で抑え込み、これ以上近づかないように阻止する。



「お前が勝手に話始めたんだろ?」



信じらんない、そんなこと言う?

だんだん湊叶さんへの怒りが、ふつふつと湧きはじめた。



「湊叶さんが言ったんじゃないですか。ココにあるもん吐き出せばって」

「そうだったか。覚えてないな」



なっ、恍ける気?

ありえない。28歳の大人が、この期に及んで覚えてないなんて。



「~~~っ、湊叶さんのバカー!」



思いっきり湊叶さんの背中に向かって、拳を振り下ろす。



「痛い痛い、分かった。悪かったって。そんだけ元気があるなら、大丈夫だな。もう遅いし寝ろ」