ド田舎


俺の選んだホスピスは、海が見える

後ろは草原に山


まるで、リゾート


「すごぉーーい!!」


結は、大興奮した

俺は、申し込みに来たときひとりで
テンション上がった

2人では、持て余す広さ



「結、コレ使って」

「へ?」



アイマスクを渡した

「訓練しないとね!お風呂以外は、つけて過ごすこと!ここの職員さん達にも、結のことは、言ってあるから、助けてくれないからね!」

「スパルタだねぇ…
これじゃ、海みれないよ!!」

ぷくっと頬を膨らませて


「まっいっかぁ…奏汰といれるなら」


いつものセリフに嬉しいオマケ付き


「順応性が高いね!!」

あっという間に部屋中をスタスタ歩くようになった

ただ
不安になると抜けるのに苦労した

「奏汰ぁどこ?ねぇ、どこ?」

結が寝てるとき
俺が職員さんに呼ばれて、部屋を留守にしていた


「ごめん…ちょっと出てた」

「怖いよぉ……これやだぁ!!」


猫を怖がったあの日より、凄く取り乱して
怖い、怖いと泣く


「でも……こんな日がくるんだよ
今は、俺がついてるんだから、いいよ?
ちゃんと訓練しないと、もっと怖いよ?」

「奏汰の顔も見れない…」

「想像してよ?イケメンに盛ってさ?」

「奏汰ぁ」


あんまり抱きつかれると、困るんです

俺も男だし、浩一君に返さなきゃだし


「はいはい!散歩行かない?」

「怖い」

「海行こうよ?」

「行く」


散歩は、いつも草原

海は、初めて


砂に足をとられて、怖がる

「しっかり足元に集中して!」

俺の肩に手を置き歩く

俺は、手助けしない

体で覚えるもんだと思ったから


何度も湧き起こる恐怖に耐え

見事!!ひとりで海で貝がらを拾えるようになった

具合が悪く、動けない俺におみやげって

白杖の扱いにも慣れたようだ

時々、わざと障害物を置いて貰っていた

杖でうまくかわせるようになった


「奏汰ぁもう、よくない?
目が退化しそうだよ!!」

「ダメ!!」

具合悪いとこ見られたくないのと

俺のサプライズ計画がバレるから

ごめん…結、俺が死ぬまで

それは、外させない