「ごめん……かわって……」



結が俯いて
俺の方に向かって言った


ギターを結にかけてあげて
結の頭に手をポンとおく

前列の子達が、ざわざわし始めた

マイクを通して言う


「泣いたっていんじゃねぇ?
そんなに強くならなくたって
俺が守ってやるし
泣き顔が不細工でも、ナナのこと好きだよ!」

「うっさい!ばか!」

手渡したタオルで目元を拭いた

浩一君

なんで、来たの?


俺は、気づかないフリした







最後の曲
「spacious room」


ずっと泣いてた最後までギター弾いて

終わったら

「ナナー頑張れ!」って応援されていた



「ありがとうねぇー」

俺が代わりに返事して

メンバー全員で礼した

レントとセージが、どうしたんですか!?
って、オロオロしながら、結を気遣う


最後に、司会から呼ばれて、ステージへ


「ナナさんもう平気?」

「すみませんでした」

って…恥ずかしそうにしてた


メンバー達は、笑っていた

俺は、結の肩を抱き寄せ

頭に手を置く




これは、宣戦布告!

浩一君に危機感を持って貰う為!!



「俺は、ナナにそんな顔させないよ
ナナ、俺を選べよ!」



「ばか」




結には、キツかったみたいだ