五月祭のライブは、結がずっと不機嫌

俺の告白も無視

わかってる

あの子を浩一君の所に連れて行った、結

結の作った曲が、俺の気持ちと重なる



なんで……俺じゃないの?



promiseとDr.Tの打ち上げにアカネさんと梨花さんが参加してくれて、結を宥めようとするけど、全く笑いもしなかった



「奏汰、泊めて?」

「いいけど…アカネさん達いいの?」

「いいよ…」



友達の所に泊まるって、嘘ついて


俺の部屋に来た結は、服を脱ごうとした


「コラコラ!!なにやってんの?」


俺が止めると


「からかって楽しい?」

「え?」

「ステージで、あたしをからかって楽しいかって聞いてんの!!」

「からかってない」

「妹みたいだって言ったじゃない!!」

「言ったよ?だけど、好きだから」

「あたしじゃない!!
奏汰だって、あたしじゃない!!
あたしが…こんなだから?
魅力ないよね?汚いもんね…」



脱ぎかけた服の隙間に、痣



「結、俺は汚いなんて、思わないよ
体に痣や傷がある人なんて、たくさんいる
珍しくもないよ
それよりも、好きでもない俺の前で
服を脱ごうとすることのが、腹立たしいけどね!!俺だって、男なんだ!
結が大事な妹だから、抱かない!!
他の男の前とかで、絶対するな!!」


「奏汰…どうしたら、好きじゃなくなるのかわかんない…
苦しいの……
こんな体、やだよ…
なんで… 病気なの……」



そっか…

結も同じ気持ち

病気な体が、悔しいんだ



病気さえなければ、俺も妹なんて言わない

あっさり抱いてた



でも、病気だから


結と深くつながれば、俺が死んだ後

結が耐えられない

それをわかっているから



結の服を拾って、かける

そっと、泣いている結をソファに座らせる

「体とか、心とか、病気とか
すべてひっくるめて、結だから
俺は、すべて大事にして欲しい!
結には、俺がいるんだぞ?
俺が一緒にいるから!
いつも隣にいるから!」

「奏汰ぁ!!」


泣き疲れて眠るまで、ずっと

背中を撫でてあげた

ソファに横にして、布団を掛けた


タオルを濡らして、顔を拭いてあげた