「結!!」

久しぶりに走って、苦しい

「結!!」


結は、公園のベンチで、いわゆる体育座りで、泣いていた

「死にたい……あたし、死にたい」

「一生懸命に生きない奴は、天国に行けないよ」

「地獄だっていいよ!!死にたい!!」

「死ぬなんて!!言うな!!俺は、生きたくても、生きられないんだぞ!!
結は、俺の大事な妹だ!!結が死んだら
俺だって、死ぬよ!?
二度と死にたいなんて言うな!!
頼むから……俺より、1日でも1分でも
長く生きてよ!!順番守れ!!」



年上だから、俺の方が先に死ぬ

勝手に俺が決めた順番

初めて、怒鳴り声をあげた


初めて、結の前で怒ってる


きっと、いつもくるあの子みたいに

邪魔だとか、消えてとか

そんな酷いこと言われたんだって思ってた


「あたしがいると…奏汰が幸せになれないんだって……あたしは、奏汰がいなきゃ
死んじゃう……」


俺と同じように、ちょっと違うけど
大切な存在だと思ってくれていること


「だったら、俺が死ぬまでそばにいれば?
てゆうか、いてよ?
結がいなくなるなんて、たえられない」

「奏汰が幸せになれないって…」

「俺の幸せは、結がいることだから」

ベンチの隣に座り、結の小さな背中を撫でる

「何もなかった俺の世界に色をつけてくれたから
結が俺から離れるなんて、この世の終わりだ」

「いてもいいのぉ?」

「当たり前」

「奏汰…ありがとう」


リストバンド触れる


「もう、切るな!
死にたいなんて二度と言うな!!」

「うん、ごめんなさい」


痩せたから、なんとなくわかってたけど

子供が亡くなったこと

正月、誕生日に死のうとしたこと

ぽつぽつと話してくれた


携帯がなって、居場所を教えると

皆、すっ飛んできた


「ナナ、ごめん
俺、理由も聞かないで、ナナが悪いって、決めつけた」

「陽太…ごめん
あたしも、陽太は、あたしを信じてくれないって、決めつけた」

「よし!!これで仲直りだ!!
牛丼食いに行こうか!!」






後日


結は、言わなかったけど

喧嘩の理由、俺の振ったあの子が

青葉先輩は、二股かけてる!!

なんて、言ったから


結がデマ言うなって、喧嘩になったそうな


陽太が、教えてくれた



きっと、いつもくるあの子と結と俺の

三角関係を想像したのかな?



結が俺の為に、戦ってくれて

嬉しい


ちゃんと仲直りするように言うと


翌日には、2人が並んで歩いていた