テンポラリー・ジョブ

「自分のひと言って、どういうことですか?」
大輔は驚いた。
自分の一言が雅夫の気持ちを動かしたことが不思議だった。

「今は支えられていてもいいんじゃないですか。そのうち、奥さんを支えてあげたらって、言った言葉ですよ」
松崎が笑顔で言った。

「あれから、二人で話しあったようです。結婚式の足りない分の金額は、恭子ちゃんの両親から借りるということで決めたようです」

「そうですか・・・良かった。自分が余計なことして、知恵の仕事の邪魔したんじゃないかと思っていたんですよ」
大輔は案心した様子で言った。
そして、知恵の顔を見て笑顔になった。

「でも、そのことを伝えに、わざわざ来られたんですか? 」
知恵が尋ねた。
仕事の件ならば明日でも会社で聞けるからである。
それなのに、なぜ、松崎が訪れたのか疑問だった。

「実はね・・・どうだろう。 大輔君、転職を考えてみないかね?」
松崎が大輔を見つめて言った。

「えっ!」
大輔は、思いがけない松崎の誘いに驚いた。

「転職って・・・? 」
大輔はあっけにとられた顔つきになって尋ねた。

「どうだろう、うちの式場で働いてみる気はないかね?」
松崎は笑顔で尋ねた。

「えっ・・・!?」
予想もしまい松崎の言葉に知恵は、口をぽかんと開けたまま驚いた。