Someday ~私がいた夏~

「さくらぁ~~~!!」

 ケーコに呼ばれて ふと我に返った。

「あっ、ごめんごめん。」

「何ボーっとしてるのよ・・・。えーまさか? 一目惚れとかぁ?」

 からかい半分のケーコに

「うーん・・・私、あの人 けっこう好きかも」

 なんてまじめに答えてる私。

 愛ちゃんとケーコはそんな私を見て笑ってる。私も、つられて力なく笑ってみる。

 葉月だけ、そんな私を見て黙っていた。


 葉月・・・ちゃんとわかってくれてるんだね。


 私が一瞬で


 あの人のこと、好きになっちゃったって・・・。






 神様がもし

 本当にいるとしたら・・・

 あの人と出会わせてくれたのは、

 いろんなこと

 投げ出そうと思ってる私への

 プレゼントですか?