私は、白い下書き用の紙を見つめながら何を書こうかと考えていた。康紀さんのこともっと知りたいし、私のことも伝えたい。だけどそれがうまく言葉にならない。
とりあえず、手紙に書かれたことを読み返しながらそれに対する返事を書いた。


「康紀さん

 こんにちは。手紙ありがとうございました。なんか、突然の手紙で…すごく嬉しくて元気をたくさんもらったような気がします。
 一緒にお茶した日からずいぶん経ってしまいましたね。あの時は楽しい時間をありがとうございました。せっかく応援してもらったのに、試験はイマイチでした。毎日、なんとなく流されてる感じです。
 康紀さんは、お仕事忙しそうですね。働くってことが今の私にはあまりよくわからないけど、でもきっと学生よりいろいろと大変なことがあるんだろうなって思います。

 音楽、寮の友達からいろんなジャンルの曲を貸してもらっていて、最近好きなのは○○っていうピアノを弾きながら歌う人です。あとはDREAMS COME TRUEっていう3人組のグループにはまってます。
 康紀さんは、どんな曲聴くんでしょうね?オススメの曲があったら教えてくださいね。
いつか、一緒にカラオケ行けたらいいなって思います。きっと緊張しちゃって歌えないかもだけど(笑)

 また実家に帰った時には遊んでくださいね♪ 桜より」


 一文字一文字丁寧に書いて、何度も読み返し…私は手紙を封筒に入れた。
 
 文面から「大好き」があふれそうになっていた。