Someday ~私がいた夏~

 カランッ――

 初めて入るこのお店・・・。私は所在なさそうに店内を見回した。

「いらっしゃいませ。」

 店員さんの声にまでドキドキしてるヘンな私。

 
 いた・・・。


 大好きなヤスノリさんの背中。

 私は、じっと背中を見つめた。


 視線が刺さったのか?ヤスノリさんが、こっちを見て


「よっ!」

と軽く手を挙げて、手招きしてくれる。


 私は、その姿にキュンキュンしながらヤスノリさんのいるテーブルに向かった。


「座りなよ。」

そう言って指をさした席。


 向かい合って座るの??


 顔見て話すの・・・めちゃめちゃ緊張します・・・。


「しっ、失礼します・・・。」

俯きかげんに座る私を見て少し笑うヤスノリさん。

「おかしいですか?」

「いや・・・なんかリスみたいでかわいいなと思って。」

「リスですかぁ・・・。」

「うん、なんかいいわ。」

「褒めてくれてるんですか?」

「さぁ?」

「それビミョーって感じですよ。」

「いいじゃん。で、何にする?」

「あ・・・はい・・・。うーん・・・。」

 メニューとにらめっこする私を見て

「オレンジジュースは?」

と一言。

 あ・・・優柔不断なの、いやだったのかな・・・。

「はい。それにします。」

「すいません、オレンジジュースとコーヒーお願いします。」


 店員さんにオーダーを伝えると、ヤスノリさんは胸のポケットからタバコを取り出して

「いい?」

って聞いてきた。

「あ、はい。どうぞ。」

 返事するだけでいっぱいいっぱいな私。