窓から外を見ると、すでに日は沈んでしまっていて、真っ暗だ。

「今日は、ほらもう帰ろうぜ。てかもう夜だし」
先に沈黙を破ったのは大也だ。

「あ、ほんとだ。いつの間に……」

大也がねおんの一歩先を歩く。
帰り道、ふっとねおんの足が止まる。しばらくして、気がついた大也は振り返って歩みを止めた。

「どうしたんだよ、ねおん」



「……あのさ、大也。……さっきはありがとね。自分でも気づかない振りしてたけど、やっぱり落ち込んでたんだよね。……今日大也に言われて元気出たわ」


「…………」


大也は何も言わなかった。振り返ったままかたまっている。


「ちょっと、なんとか言いなさいよ。人が感謝の気持ちを表してるってのに……」


すると我に返った大也は言った。
「なんだよ……お前急に素直になりやがって……気持ち悪いこと言うなよ」




ドカッ!!



「いってー!?何するんだよ!!感謝してるなら殴るなよ」

大也は殴られた所をさすりながらねおんを見た。


ねおんは顔を真っ赤にして、ゆでだこみたいになっている。大也をこれでもかというくらい睨むと言った。




「やっぱり、あんたなんか大っ嫌いなんだからー!!!」