男装女子VS猫かぶり王子!


「葵、また
囲まれてたな」


私は、葵にだけ
聞こえるように
囁いた。


「お菓子を
配ってたらね
みんな、集まって
きちゃって……」


「そっか。
苛められてたんじゃ
ないなら、よかったよ」


私はそう言って
葵の頭を撫でた。


「もぉ~っ!遥?」


「ハハッ、怒ってるように
見えねぇよ」


葵は、昔から
私と違って


殺人級の笑顔で
誰をも虜にしちゃう男子。


今の怒ってる姿さえ
可愛く見える。


まぁ、男に
見えないのは
問題か…。