―昼休み“校舎裏”― 「先輩っ これ……」 女の子が そう言って お菓子の入った 袋を私に 差し出した。 「……ごめん。 気持ちだけ」 「そ、そうですか…」 女の子の 泣きそうな声に 胸が痛む。 でも 幼なじみ以外からは いらない。 「……ごめんね 名前も知らない 女の子ちゃん」 私は 女の子の 後ろ姿を 見送りながら そう呟いた。