クリスマスプレゼントは靴下に

「ありがとう、遼一さん。」

「ううん、でも、いいの?
あの人たちと一緒にいなくて…」

「ええ、最初から乾杯だけって約束だったから。
部下との付き合いもそれなりに必要でしょ?」



あぁ、さっきの奴らの顔、撮影しておけば良かった…なんて意地悪な事を考えて、私は小さく微笑んだ。



「さすがに寒いね。」

「でも、気持ち良いわ…」



そう、私の心は満足感に満ち溢れていたから…
今日は嘘の彼氏だったけど、奴らはそのことを気付いていない。
それに、今日は嘘の彼氏でもずっとそうだとは限らない。



これからのことなんてまだ何もわからないけど……



でも、彼が妄想なんかじゃないってことだけははっきりしてる。
繋いだこの手はこんなにも温かいのだから。



「あ、ここなんてどう?」

「いいわね。」

私達は、雰囲気の良い静かなレストランに入った。




「あ……雪……」

「本当だ…綺麗だね。」

窓ガラスの向こう側に降る雪は、音もなくちらちらと舞い踊る。



普段はただ寒いからいやだとしか思わない雪が、こんなにも綺麗に見えるなんて……



それはきっと…
私のすぐそばにあなたがいるから……



「どうかしたの?」

「ううん。そんなことより、もう一度乾杯しましょう!
今度は二人で…」

彼は微笑みながら頷いた。



最高の聖夜に……二人の明るい未来に、乾杯……!




~fin.