クリスマスプレゼントは靴下に





「本当にどうもありがとう!助かったわ。」

そこはけっこう立派なお屋敷で、出て来たのは、確かにおばあちゃんだったけど、私がイメージしてた人よりはずっと若くてお元気な方だった。



「今、お茶を飲もうとしてた所なんですよ。
ぜひ、あなたもご一緒に。」

「いえ、私は…」

「そんなことおっしゃらないで。
わざわざ届けていただいて、何もしないなんて、私の気持ちがおさまらないわ。
そうそう、おいしいケーキもあるのよ。
さっき、嫁が届けてくれたの。」

おばあちゃんは割りと強引だったし、社交辞令には思えなかったから、私は厚かましく上げてもらうことにした。



「お邪魔します。」

通された居間は、広くて、日当たりが良くて気持ちが良い。



「お待たせしました。」

テーブルの上に、真っ赤ないちごがたくさん飾られたいかにもなクリスマスケーキが運ばれて来た。
砂糖菓子のサンタさんも可愛い。
おばあちゃんは、温かな紅茶と共に、ケーキを切り分け、綺麗なお皿に取り分けてくれた。



「さぁ、召し上がれ。」

「いただきます。」

ただポーチを届けてあげただけなのに、えらい歓迎を受けてしまった。
ありがたいやら、恐縮するやら…
でも、ここまで来て遠慮するのも何だから、私は大きな口でケーキを頬張った。
生地はふわっふわで甘さも控えめ…いちごはとってもフレッシュで…



「すっごくおいしいです!」

「でしょう?
嫁が気を遣って毎年なんとかっていうお店のを買って来てくれるの。
有名なお店なんですって。
だけど、おじいさんは甘い物が嫌いだし、私、もったいないから意地で何日もかけて一人で食べてるのよ。
今年は、あなたが来て下さって本当に助かったわ。
さ、もっと食べて!」



ケーキは本当においしくて…しかも、気さくで感じの良いおばあちゃんだったから、話も弾んで…
もう長い間、クリスマスを家族と過ごしたことはなかったから、じんわりと心が熱くなる程に楽しい想いを感じた。
他愛ない世間話がこんなにも楽しかったなんて…あぁ、涙が出そう…



そんな時、不意に玄関のチャイムが鳴った。



「あら、誰かしら?
おじいさんは遅くなるって言ってたのに……」

そう言いながら、おばあちゃんは席を離れた。