「何食おうが勝手だし、食事の邪魔する気はねぇんだけどよぉ…」

愛想笑いすら浮かべつつ、丈一郎は言った。

「その…何てーの?血ぃ出てんぜアンタ…そういうファッションセンスは頂けねぇな…着替えるか、病院行った方がいいんじゃね?」

「……」

丈一郎に声をかけられても、その人物は無言のまま。

無言のまま、ゆっくりと振り向く。

それが、丈一郎の『普通の生活の終わり』。

お調子者で何にでも首を突っ込みたがって、その結果余計な面倒を背負い込んでくる丈一郎。

好奇心猫を殺すの最悪のパターン。

丈一郎が声をかけたのは。