「ぬうぅぅうぅっ!」

ベナルが唸る。

薄暗い遺跡の中を、丈一郎の天使の力(テレズマ)のスパークの光が照らす。

まさか調息法を学んで間もない丈一郎が、あそこまでの威力の調息を練り上げるなんて。

きっとお爺ちゃんも驚いている筈。

もしかしたら丈一郎は、物凄い調息の素質を秘めているのかもしれない。

事実。

「ぐぅっ」

調息を受けたベナルは、ガクリとその片膝をつく。

あの巨体が、途端に跪くなんて。

驚く他ない。

「どーしたよ化け物!」

ビシッ!と指差して、丈一郎は告げる。

「そのデカイ図体は見かけ倒しか?滅びの五人なんて呼ばれてても大した事ねぇな!」