印堂 丈一郎の不可解な生活

「さぁ二人とも」

雪城が店の扉を開ける。

「いつまで話し込んでいる。そろそろ出発するぞ」

…あの決戦の後、丈一郎と雪城は話し合った。

私…滅びの五人の一人である真祖セシル・カイルの処遇を。

幾ら人間に害意を示さなくなったとはいえ、私は化け物だ。

このまま多くの人間が暮らす街に、ひっそりとはいえ置いておく訳にはいかない。

結果、丈一郎達は私を連れて旅に出る事にした。

人間達に被害が及ぶ事なく、また迫害を受ける事もない『安住の地』を求めて。

最果ての島か、前人未到の山頂か、太古を彷彿とさせる密林の奥深くか。

それが何処にあるのか、まだ分からないけれど。