印堂 丈一郎の不可解な生活

「あの古城に行ってたの」

「……」

私が言うと、雪城は俯き加減になった。

「『奴』の墓標だからな」

「…うん」

静かに私は頷く。

そう、墓標。

あの場所は大きなお墓かもしれない。

そう思う事で、雪城の気持ちが少しでも平穏でいられるのなら、それでいいと思う。

『彼』は死んだ。

それが雪城の事実であり真実。

なら、あの古城は『彼』の墓標。