印堂 丈一郎の不可解な生活

「んな馬鹿な事があるかよぉおぉぉ」

丈一郎が私に言う。

「二挺拳銃で、こんな蜂の巣に出来るほど撃てる訳がねぇだろうがよぉぉぉ、すぐに弾切れ起こすのによぉおぉ」

「弾切れは起きないのよ、『あの人の二挺拳銃』は」

「あん?」

「そんな事はいいからっ」

一斉射撃の間隙を縫って、私は丈一郎の手を引いた。

低い姿勢のまま、骨董品屋の裏口へと向かう。

正面の扉から出るのは自殺行為だ。

裏の勝手口から外に出よう。

それでも、『あの人』にはお見通しだろうけど。

素早く店内を駆け抜けながら、裏の勝手口の扉を蹴り開ける。

よし、誰もいないみたい。

今のうちに!

外に出た私達は。

「!?」

骨董品屋の屋根を飛び越えてきた一人の男に、行く手を塞がれた。

「俺に挨拶も無しに立ち去るとは…随分他人行儀になったな、セシル・カイル…?」