1ヵ月が経とうとしていた。

ようやく少しだけお客様に旅行プランを出せるようになった。もちろん結城さんが私についた状態でだけれど。


「瀬川さん、顔こわばってる」

「は、はい!」

「少しリラックスして話したほうがいいから」


結城さんがMAX緊張状態の私を見ながらケタケタ笑った。



いざ、本番。


「ホテルはAのプランがいいんですが」

「Aのプランですね、畏まりました。ええと、」

お客様からの要望を聞いて、改めて金額を出し直す。


あれ?おかしいな、上手くいかない。
気持ちかが焦ると余計に変な力が入って。