「これ、どんなこと考えて並べた?」
そう問われて自分の言葉で説明する。何を押し出したいのか。
だからどうやって配置をしたのか。
そうして説明している間、結城さんはうんうんと黙って頷いた。
「はい、よくできました」
その一言に心臓が跳ねた気がした。
よく出来ました、なんて先生以外現実で使う人いるんだ。
しかも違和感もなく、さらっと。
かっこよく決めてしまった。
「ありがとうございます」
俯きながら、必死に頬の赤らみを隠す。
褒められたらやっぱり嬉しいから、それだけだと言い聞かせた。
思えばこの時既に彼の罠(トラップ)にはまっていたのかもしれない。
甘い、甘い罠に。
一度はまったら最後。絶対に抜け出すことは叶わない。
