青の世界

居間に戻るとテレビを付けた



『ピピピ─────ガガッ


ピ─────────』



…が、真っ青な画面からは雑音しか聴こえてこない。



「映像も無しかよ…少しは配慮しろよなー悪夢め…」



仕方なく、階段を上がり自分の部屋に行った



あまり物を置いてないから、殺風景で自分でもすることが見付からない部屋



だから普段は、何か用事がある時か寝る時以外には利用しないんだ。




階段を上がり切り、奥へと続く廊下を歩く



そして、突き当たりの部屋を開けた。




…その瞬間に気付いたのは


「…あ?」



部屋の側面に沿って、配置されたタンスやら私物



その中心には、ないはずの“何か”が堂々と場所をとっていた、ということ。



俺は入口に立ったまま、それを目を細めて睨む



───上から下まで濁りのない、一色の青でできたそれは


まるで、人間を象っていた



…一番上が頭で、あれが腕…腹…



脚…が、曲がってる。


=座ってる?!(それも正座で)



「…ンだこれ…」



中に入り、ゆっくりとそれに近付く



微動たりともしないそれは、相変わらず座ったまま。



俺は机にあったボールペンを取り、その先でそれを突ついた



…少し弾力がある…


てか人膚じゃん!!



「…これ…人間…??」



その時



『─────ようこそ “サイレント・ワールド” エ。』