青の世界

「意味分かんないんだけど…」



全てが青の風景。



色々な種類の青色が街を包み込む




それでも、先ほどまでいた土地だというのは確かだった



今立っているのも、目を閉じる前と何ら変わりはない


虫の声や、微かに吹く風も動きを取り戻していた。




…ただ…


全ての色だけは、変化していた



高層ビルも


家も



「…マジかよ…」



俺の鞄も、その中の教科書も



何もかも。



…でも自分と、着ている制服は変色していなかった。



「…どうなってんだ…?」


とりあえず河原を上がり、青い道路を歩き出した



───家へ帰ろう…。



これはきっと夢なんだ。



こんな所にずっといて夢が醒めるのを待っていても、いつになるか分からないし


一定した色に目が痛み始めたし…。



「…せめて緑とか、目に優しい色にしろよ…」



じゃなくて!



何で青色一色なんだ?!


そりゃあ青は好きだけど…。




───現実世界では出来ないことをしてみたい



コンビニで、何かを盗むとか犯罪的なことや


夜の街で、入ったことのない店での遊びとか


不良に喧嘩を売ってみるとか


それが逆に警察相手だとか



“もしこの世が今日で終わるなら”または、夢の中でそれが可能なら



してみたいって、思う人は多いだろうな…。



でも今回は違う



────こんな所で何が出来るってんだ!!