青の世界

先ほどまで一緒に先を目指していた川が、ピタリと動かなくなっていた



その時分かったんだ



───“時”が止まってる


って。



自分以外の全ての物が、運動を忘れ停止していたんだ。



「は?…や、え…?!」



俺はこの状況についていけず、ただ立ち尽くしていた



─────チカッ


「…眩っ…」



その時、遠く…川の向こう側に、一瞬だけ何かが光った



そして


それは凄い速さでこちらに向かってきた



「え…え?!」



──────────




…頭の中が真っ白になった。



何が起こったのか…



確か、さっきの変な光が目の前まできて───


視界から景色が消えて…



それから───



「…は?」



閉じていた目をゆっくりと開く



だが


再び開いた視界には



「…はぁ───っ?!!」



川や、紅くなり始めた空の他にも


木…草…

元の色をまるで無視した、全てが、青だけの世界が広がっていた