青の世界

学校から家までの帰り道。



向こう岸までそれほど距離のないくらい細い川


草の生い茂った河原が夏を感じさせる



「…はぁーっ」




俺は最近、ここで寝転び空を見上げるのが習慣になっている




…風が吹かないせいで真上で止(とど)まっている積雲



まるで嫌なことを忘れさせるかのような真っ青な夏空



「ママっあのお兄ちゃん何やってるのー?」


「こらっ!寝てるんだから静かにしなさいっ」



「…。;;(起きてるけど…)」



───青色ってのは、昔から好きだ



空の青。

海川の青。



上にも下にもいてくれてる


世界を見ていてくれる。



俺は小さい頃に、そう気付いた



だから、好きだ。




───ピピピッ


俺は携帯の着信で起き上がった



「…はい?」


『おう降部!さっき振りー。でさ、今いつもンとこで野球やってんからさ、用済んだら来いよなっ』



…野球か…最近やってないな



「後場?…んー分かった。」


『絶対な。じゃ俺打順、次だから切るよっ』



…ピッ




「んんーっ…行くかぁ。今日も気晴らしできたし…」