青の世界

四方を見渡したが、あれの姿はどこにもない


どこから聴こえてくるのかも検討すらつかない



…というより…



脳に直接響く


まるでテレパシーのように。



「どこだよっ!てかてめぇ何なんだ!!」



“夢”なのに躍起になっている俺。



『かわらない きみの、いえ ダ。』



再び聴こえる声。



「てか何で俺ん家にいンだよ!まずお前…てかここ何なんだよっ何で青しか色ねぇんだよっ!!」



自分でも思うほど、一気に質問しすぎた…。


でも、この奇妙な悪夢の中では聞きたいことが山ほどある。



『…あわてもの メ。』


「!何っ?!…てか答えろよっ」



『さきほど きみ、は わたし、の ことばに はんのう、を しめさなか タ。』



…?


怒ってンのか…?;;



「…え…だから───」


『すべて、が しりたい、の なら わたし、の ところ、え きなさ イ。』



…上から目線かよ…



「──…分かったよ!!」



俺は方向転換し、また家へと向かった。



「…これじゃ、何の為に逃げたのか…。」




───あと数分で家、という時



「…にしても本当誰もいな───…?」



今…


誰かいた…?



少し先にある塀の角に、人影が見えた。