花言葉

「ねぇ、千絵。最近、元気ないよね?何かあった?」


「何もないよ」


「そー?」



別れ話されるわけではないのか、と少しホッとした。


でも、岡本くんは一向にこっちを向かない。


「ねぇ、千絵はさ、俺のこと好き?」


ここで、『うん、好きだよ』と、さらりと言える恋愛スキルを残念ながら持ち合わせていない私は、え!?と言ってしまった。

岡本くんはこっちを見ていないから分からないと思うが、私の顔は赤くなっているのではないかと思う。顔が、すごく熱い。


「急だね」


「急だよ」


「ねぇ、好き?」


岡本くんの視線がようやくこちらに向いた。

私は、『好きだよ』とは言えず、無言で頷いた。


「そっか」


「あの、及川愁くんよりも?」