花言葉

「本当か?」


「本当だよ」


「ふーん、それならいいけど」


「急にどうしたの?」


「あー、まぁ、気にすんな」


私と愁の会話が終わりに近づいてくると、千絵!と、岡本くんが私を呼んだ。

愁は、じゃあ、と言ってクラスに戻っていった。


「あのさ、今日の帰り一緒に帰らない?」


「うん、いいよ」


「今日、自転車?」


「うん、岡本くんは?」


「自転車パンクしちゃって。歩きで来たんだ」


「あー、私、学校来る途中でパンクしたことあるよ。しかもその日テストで、遅れらんないし、パンクしたまま自転車漕いだ」


「マジ?千絵すげぇー。俺、普通に歩いてたわ」


ひとしきり話したあと、チャイムがなってしまったので、教室に戻っていった。

そのあとの授業では、何故か頻繁に岡本くんと目が合った。

目が合うと、岡本くんはすぐにサッと目をそらした。


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