私は、キャリーバッグに着替えなどを詰めて駅へと向かった。

修学旅行遂に当日だ。

あれから私と優翔は特に変わることはなかった。

変わったことといえば、お互いに昔のように、望美、優翔、と名前で呼ぶようになったこと。

そして優翔は変わらず私に数学のノートをせがむ。

それから、夕香が私の気持ちを知っているということ。

夕香は、頑張れ!と応援してくれた。

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「席順ってどうなるんだろうね?」

「大体班ごとに固まるらしいよ」

「えー、私、俊の隣がいいな」

「私は?」

「望美もー!」

「私はついでか」

出発直前、皆が浮き足立ってるのが分かる。

このメンバーで行くのは最初で最後の旅行。それから、修学旅行の雰囲気。

テンションは上がってしまうものだ。