花言葉

「優翔のこと、好きになった?」


「まさか」


「そっか」


そろそろ帰ろうかと、リュックを背負い、
菅原にバイバイ、と言おうとしたとき、あのさ、と言われた。

「藤田さん、好きな人いないんだよね?」

「うん、いない」

「あの、よかったらなんだけど、俺と付き合ってほしい」

その時、教室のドアを開けて入ってきたのは、君だった。

私の、大好きな君。

優翔は、怖い顔をして私と菅原くんを見ていた。

「あれ?優翔、お前帰ってなかったのか」

菅原くんは慌てたように少し苦笑いをしながら言った。

そして、じゃあ、俺帰るわ、と言って帰っていった。

そして私も帰ろうと歩き出した。

「なぁ、」

その声に私の足は止まった。