花言葉

「ねぇ、あたしのこと知ってる?」


「え、まぁ。有名人ですから」


「そう。じゃあ、私が樹くんを狙ってることは?」


「噂では聞いたことありますけど」


「そう、だったら話は早いね」


白鳥月子は教室の入り口から俺の席の方へと歩み寄ってきた。


白鳥月子には、有無を言わさない迫力があった。


「あなた、沢村千絵のことが好きなんでしょ?」


は?何でこの女が知ってんだよ。


秋都?岸本?


俺が千絵のことを好きなのはこのふたりしか知らない。



「何で知ってんだよ、って顔だね。まぁ、安心して。あなたの友達に聞いたわけじゃないから。あなた、廊下とかで会うたびにあの女と仲良さげに話してたからね。あの女が話す男は、樹くんとあなたくらいだから、少し目つけてただけ」