「あの辺からだよ。なんか、千絵のこと好きになってた」


「理由とかよく分からないけど、友達と一緒に笑ったりする顔はすごい可愛いなぁって思ったし、真面目に授業受けたりするのも、眠そうにしてるのも、全部、近くで見ていたいと思ったんだ」


樹くんの告白に涙が出そうになる。

そんなに前から樹は私を想ってくれてたんだ。

幸せだ。


「言っとくけど、俺、千絵が俺を思ってくれる何倍も千絵のこと好きだから!千絵が別れたいって言ったってもう離してやんないから!」


最後に、覚悟しておいてね、と彼は付け足した。



「千絵、大好き」


「私も」


私たちは、手を繋いで帰っていった。




やっぱり私は、一生分の恋愛運を使い果たしたんだ。



だって、こんなにも幸せなのだから。







アザレア_あなたに愛される幸せ