好きなのに



(まぁ、元が良いからか…)





リュックの中にポーチを入れてスマホを操作しながら部屋を出る。



ガチャと開ければ、スマホ画面に黒い影がうつる。





(すげぇ、邪魔なんだけど…)





まぁ、誰だかは分かりきっているのだけれど。





「影山、邪魔」



「日菜様、手で操作しているものを閉まってはどうでしょうか」




顔を上に向ければ、不機嫌そうな執事。



黙っていれば女なんていくらでもよってきそうな顔立ちなのに面倒な性格。





(ないわー、絶対こんな男嫌だわー)





「ハイハイ」と適当に返事をしてスマホを操作しながら大広間へ向かう。



すると後ろから「ハァ…」と諦めたようなため息が聞こえる。