[ 日菜side ]





コンコンコンと三回のノックが広い部屋に響く。





「日菜様、失礼いたします」





部屋の外から女性では出せないような低い声が聞こえ、直ぐに誰だか分かった。



ガチャとドアノブを回す音が聞こえて、後ろを振り返れば予想通り執事の影山がドアの側で立っていた。





「日菜様、そろそろお時間でございます」



「分かってるから、外行って! 今から着替えるから」





例え、執事と言っても彼は男だ。



無理矢理部屋から追い出してまだ一度も着ていない制服に手を伸ばす。





「案外、可愛いじゃん!」





鏡を見れば、赤と白のパーカーに赤と黄色のチェックのミニスカ。紺色のリュックにニット帽。スニーカーにピアスをすれば、完璧。